★ジェレミー・リフキン(著)、渡辺康雄(訳) / 『エイジ・オブ・アクセス あなたは「アクセス富者」か「アクセス貧者」か』
※ページ数が多く、文字の密度も高かったので、
序章と終章だけ読もうと思ったら、そこだけでも学びが多く、
結局他の章も読むことになりました。
●今やモノとサービスの関係が逆転してしまい、
製品を文字どおり無料で配って
その見返りに利用客から長期のサービス関係を
結んでもらおうとする企業が増えてきている。
●世界の富裕層の上位五分の一は今やその収入のうち、
製品購入や基本的サービスに支払うのとほぼ同じ額を
文化的な経験へのアクセスに費やしている。
●時代は経済学者が「経験経済」と呼ぶものへ、
すなわち我々個々人の人生が事実上商行為の対象である
「市場」と化す世界へと移りつつある。
●今日の子供達の意識には所有ベースの市場経済の代名詞のような
「俺の物、お前の物」という闘志丸出しの発想法があまり見られず、
より相互依存的で互いの関係性を組み込んだ現実認識の方法が登場していると言う。
闘争的ではなく協調的であり、情報工学で言う「システム的発想」や
コンセンサス形成に密接に結びついたものの見方だ。
●マクファーソン
豊かに満ち足りた社会では、
他者を排除する権利としての財産はそれほど重要ではない。
窮乏(きゅうぼう)を克服した社会では無形の価値の方が優先し、
自己充足や自己変革が目標になる。
●モノを取り囲む環境が急速に変化している。
モノを所有することは時代遅れになり、情報にうまくアクセスする人が成功する。
21世紀にはモノを「所有」することの価値が薄れ、
モノやサービスに必要な時だけアクセスすることが新しい流れになる。
「所有からアクセスへ」。
●リフキン
「アクセス時代のビジネスの成否は、市場でモノを売りさばくのではなく、
顧客といかに長期的な関係を維持するかにかかる。」
●工業化の時代には、労働をお金に変える、つまり「労働の商品化」が特徴であったが、
アクセスの時代には、「遊びの商品化」「経験の商品化」に拍車がかかる。
言い換えると、どのような楽しい時間を過ごすかが、重要な商品になる。
●リフキン
アクセスの時代に登場する新しい世代はよく言えば「変貌自在な人類」
この変貌自在な人の特徴は以下の通り。
新しいタイプの賃貸の共益住宅に住み、
自動車はリース、買い物はオンライン。
情報にアクセスすることが上手で、短期雇用に慣れている。
どちらかというと言葉よりもイメージでものを考える。
趣味やファッションを大事にし、最新のものに目がない。
早いテンポで変わる社会に慣れているため、
習慣や風習、伝統への思いが希薄である。
沈思(ちんし)しないが、決断は早い。
「肝心なのは今」ということをよく知っている。
変化に対応するのがうまいという点で、
この世代を「カメレオン的」と呼ぶ。
この世代は「所有」に関心がなく、
「経験」こそが大事だと思っている。
誰かとつながっていることが重要で、
接続が切れることは死に匹敵する。
この世代がこれまでの世代と決定的に異なっているのは、
名声や地位は所有で決まるのではなくアクセスで決まるという点にある。
●アクセス・リッチ(アクセス富者)と
アクセス・プアー(アクセス貧者)とを分ける要因は、
必ずしも、富の多寡(たか)や
これまでのモノのやり取りを中心にしてきた世界で
上席にいたかどうかには関係がないということが分かる。
アクセス・リッチとアクセス・プアーを隔てるものは、
一人の人間がどれだけ多くと「つながっているか」にかかっているかであって、
モノや財とは関係がないからだ。
●モノと機能を区別する表現の例
カーペットが必要なのではない。カーペットの上を歩きたいだけだ。
>>>KSC 楽天市場店でチェック。<古本>
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