★谷口雅春 / 『幸福を招く365章』
□『甘露の法雨』
□谷口雅春選集『人間性の解剖』
□『精神分析の話』
●栄える運命を得る(うる)には
人生問題を解決する鍵は
「自分」の幸福と云うものに執着(しゅうじゃく)していた心を解放して、
「全体」の幸福と云うことに心を向けかえる処にあるのである。
利己から利他へ振向いたとき、吾々は狭い世界から、広々とした世界へ歩み出る。
人類全体に、(少なくとも隣人に)奉仕するのが本当の生活であるとわかったとき、
個人的利益に執着していた自分が馬鹿らしくなり、辱かしく(はずかしく)なる。
そして、人のため人のためと、他のためにつくしていると、
不思議に自分自身が却って(かえって)生かされている事実を発見して驚くのである。
わが事のためでなくて尽くしている人は却って栄えるのである。
●彼をよくしてやるのは説教ではなく、愛である。
愛とは彼の弱点をあわれんで舐めるように可愛がることではない。
どんなに不完全に見えようとも、その奥にある「善」なるものを見出して、
それを尊び拝んでやることである。
●自分の周囲にあらわれる状態は、
すべて自分の想念(こころ)の影なのであるから、
周囲の状態をよくしようと思うならば
自分自身の想念をよくするほかに道はないのである。
●西洋の諺
「薬剤は一つの病気を排斥するために、もう一つの病気を拵える(こしらえる)」
無闇に医薬に頼ってはなりません。
薬剤は効果ある薬剤であればある程副作用も強いのです。
●あなたが仮令(たとい)、如何に病気に悩まされているかの如く見えようとも、
如何に貧苦のどん底にあるが如く見えようとも、
それはただ円月にかかっている雲の形のようなものである。
雲の形が如何に暗澹(あんたん)として見えようとも、
円月それ自身は未だ曇ったことがないのである。
その如く、如何にあなたの外見が暗澹として見えようとも、
あなたの実の相(すがた)は円満完全であって病気でも貧乏でもないのである。
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