読書グラフィ 今日読んだ本
★本多静六 / 『私の財産告白』
●マゴつかぬ早手回し
自分の仕事は自分で、
しかも、できるだけさきへさきへと早目に片づけていく。
これが日常生活における私の一番の心がまえである。
今日の仕事を今日片づけるのは当然のことであるが、
もしできることなら、
明日の仕事を今日に、明後日の仕事は明日にと、
順次手まわしよく片づけるようにしておきたい。
ホンの少しずつでも、少しずつ早目に片付けるのと、
少しずつ遅らせてしまうのとでは、
そこに大変なちがいが出てくる。
●嫁入り道具と貯金帳
娘を嫁にやる際なども、
世間一般のバカバカしい支度は一切やらなかった。
欲しいものはなんでも作ってやるが、
一度にわたしても置場に困るであろうし、
(中略)
買いととのえたいものを、あれもこれもとみんな書き出させ、
それだけの金額を貯金通帳で渡してやったのである。
●老癖六歌撰
(1)くどうなる気短になる愚痴になる
思いつくことみな古くなる
(2)聞きたがる死にともながる淋しがる
出しゃばりたがる世話焼きたがる
(3)またしても同じ話に孫褒める
独りしゃべって人に言わせず
(4)今を貶し(けなし)昔を褒めて今朝のこと
昼は忘れてまた聞き直す
(5)新しい科学まなばず古くさい
詩歌(うた)や古典をまた繰り返す
(6)今の世に善き事あれど悪しき事
まず目につきて世の厭(いと)わるる
●老人自戒七訓
(1)名利と齢とに超越して、日にあらたなる努力を楽しむ。
ただし、他人の名利と齢とはこれを尊重すること。
(2)他者、来訪者の言に傾聴して、問われざるは語らず。
(3)自慢話、昔話、長談義はこれを慎み、同じことを繰り返さぬ。
(4)若人の短所、欠点、失敗を叱らず、
かえって同情的にその善後策を教える。
(5)若人の意見、行動、計画を頭からけなさず、
できるだけそれを生かし、助長する。
ただし、その欠点や危険に気づいた場合は、
参考までにアッサリと注意する。
(6)老人の創意、創作は、一度若人達の意見に徴し、
その賛成を得た上で発表する。
しかも、その功は若人に譲り、責はみずから負うことにする。
(7)会議、会合にはまず若人に発言させ、
老人みずからはその後に発言する。
しかも、なるべく若人の言を生かし、
補正すべきは補正、いわゆる錦上さらに花を添える意味にしゃべること。
●逝く水の如くに
水は淡々として方円の器に従うというところが気に入った。
すなわち、いかなる境遇にも自ら適応し、安住する。
かつ澄み、かつ濁り、
しかもいつかは、自ら貫くべきものを貫いていく。
自分もぜひそうなりたいと念じたのである。
●人生即努力、努力即幸福
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